001466:夢を売るとは

ついこの間、こんなお客さんを乗せました。

走り出すと、ヤサカのタクシーをいつも使うとか、昨日も30台呼んだとか、ヤサカの偉いさんが挨拶に来たとか。
その後で、四つ葉のシールをあと4枚ちょうだいと言う。
それを断わると、色々と文句を言った挙句、最後に「夢を売る気が無いなら四つ葉のタクシーを降りろ」と、捨てゼリフ。

まあ、お酒も入ってますからこちらは気にしていませんが、一つだけ。

私が売っている夢は、乗っても乗らなくても大勢の人がシールを手に入れると言う物では無いんです。
乗らなきゃ貰えない記念のシールを、一生懸命四つ葉のタクシーを探してやっと手に入れた人がいる以上、乗ってない人にシールを配るのはその人に失礼だと思うんです。
だって、やっと手に入れた人が誰かに話して、相手が「あ、私も持ってるよ。友達がくれた。」って言うたら、ガッカリでしょう?
そんなのは夢でも何でも無い。
ただ、自分がいい格好したいだけにしか思えないんです。

逆に、お母さんと子供を乗せた時に、お父さんも乗るはずだったけど急な仕事で来れなかったとか聞いちゃうと、お父さんの分も渡しちゃう。
それが夢を売るって言う事だと思うから。

この件で、そのお客さんからヤサカの偉いさんに苦情が入って、山中は四つ葉を降りろって言われたら、降りますよ。
シールをばらまくだけの運転手なら、他にいくらでも居るでしょうから。
って言うか、全車ご自由にお取りくださいって書いて、積んどけば良いんじゃない?