001833:痴人の愛
はじめてこれを読んだのはいつだったかもう覚えていない。
とにかく最近もう一度読んでみたのだが、やっぱり読み終えてから「?」マークが頭の上にぽっかりと浮かんでしまった。
はじめて読んだときは、超特大の「?」マークが頭の上にうかんだが、大人になった今は、手のひらサイズの「?」マーク。
でも「?」マークにはかわりがない。
「起」「承」「転」があるのに、「結」がないのだ。
ナオミの考え方や、行動についてはよくわかる気もする。
今なら特にめずらしくもない女性像だから。
ただ、このナオミがもう少しかしこかったら、もっと完璧に男を手玉にとって、又その嘘も完璧につき通せただろうに、と人事(物語事?)ながら同情してしまう。
譲治さんについては、コメント略。
現代にこんな男が本当にいたら、さんざん女のカモにされてポイされるであろうことは確実で、物語になりもしないだろう。
そう思いながらも、この本が「古本屋行き御一行様」の中にまぎれてしまわないのは、何故だろう。
それはね・・・気持ちいいのよ。
文章が。
あなたも文学的エロスの世界へどうぞ・・・。