001827:別れの美学
唐突な話だが、私は結婚して3年になる。
そのうえ今のダンナと結婚前に9年半の恋愛期間があった。
別に時間の流れを意識したことはなかったけれど、これはわりとすごいことであるように思う。
ほぼ30年間の人生で私は10数年ダンナといっしょにすごしてきたということだ。
高校時代の思い出の中にも、学生時代の思い出の中にもダンナはいる。
ということは、これから先何らかの理由でダンナと別れるようなことになったら、いわゆる青春時代の思い出というヤツは何も残らなくなってしまうのではないか。
これはおそろしいことだ。
というわけで、私は、恋愛の終わりにありがちな、別れの修羅場というのをほとんど知らない。
だから、この本を読んでも、なんとなくわかるが、「そうそう、そうなのよ!」 という感情は、あまりわかなかった。
でも、ユーミンや中島みゆきの歌詞を分析したり、マリリンモンローの人生を考えたり、未練について考えたり、という内容の広さは、第三者的立場で楽しませてもらった。
今、ダンナのいない生活なんて考えられない。
この本のごやっかいにならなくていいことを、心から願っている。