000771:002:群れる女達

  女は群れたがる・・・なんでだろう。基本的に私はあまり「群れ」が好きではない。・・・というか、他人をあんまり信用してないので群れる必要性を感じない。特に「広く浅い女同士の友情」なんて物は一番信用できない。私がこうなってしまったのは原因がある。いうなら、トラウマって奴だ。
  まだ中学生だった頃、私は結構大きなグループに所属していた。このグループの女ボスはすごく頭の切れる奴で、グループ内で揉め事が起こりそうになると、その揉め事とは関係のない誰かをターゲットにして「いじめ」を始めた。今にして思えば、なんて巧妙なやり方だろう。一時的にみんなの視線を他へ移し、揉め事をうやむやにしてしまうのだ。でもいじめのターゲットになった方はたまったもんじゃない。身に覚えのない中傷を受け、シカトをくらう。ばかばかしいったらありゃしない。中3でターゲットとなった私は、それきりグループへは戻らなかった。それ以来、どんな「群れ」にも所属しなかった。
  さすがに大人になれば、みんなもっと自立して個人を確立しているんだろうと思っていたけれど、そうでもない。「類は友をよぶ」で、似たような考え方の奴らは相変わらず群れている。「私達の考え方が、スタンダードなの」「私達と考え方の違う人とは、一緒に仕事できない」等等、口には出さなくてもオーラが出ている。また始末の悪い事に、女も30過ぎて母親になったりして、刺激的な事が何も起こらなくなって来ると、急速にオバハン化していくのだ。オバハンの「群れ」、そしてそこから出るオーラ。あぁ怖い。
  私の職場にも「オバハンの群れ」は、存在する。それも何故か私より若い子達ばっかりだ。彼女達は仕事もできるし、お洋服のセンスもいいし、子供がいるとは思えないほどスタイルもいい。でも・・・中身はただのオバハンだ。数人集まってくると話の内容は、他のスタッフのゴシップや、姑の悪口、ひどいのになるとダンナの悪口まで言い出す始末。とっても聞いていられない。悪い雰囲気のオーラは微妙に若いスタッフ達に影響を与え、とうとうその雰囲気に耐え切れなくなった子達が、この3月で2人も退職する。「オバハンの群れ」の中でも特に無神経な奴が私に聞いてきた、「あの2人どうして辞めるの?」。・・・・てめえらのせいだろうが!。判んない方がどうかしてるよ。そんなことだから年上の私からもオバハンとか思われるんだよ!。
  群れる女達の心理も判らないではない。群れから外れたら、今度は自分がゴシップのターゲットになるのは明らかだ。でも「群れ」の枷が外れたら、また違った物が見えてくるのに。・・・そんな事には気付かないか。なにしろ「オバハン」だからなあ。